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    お墓の向きってあるの?

  • お墓を建てる時、お墓の向きを気にかける方は多いようです。特に北向きを避けることとされていますが、その大きな理由としては、いくつか考えられます。そのうちの一つには、北を天皇の玉座(上座)とする日本古来の風習があり、北向きに建てると、礼拝する人が上座に立つことになります。もう一つに、北向きですとエネルギーの源である太陽の光が、墓石正面に当たらないことから避けられるようになったといわれています。本来仏教では、東西南北上下と六方とも尊敬し、吉凶の別はといません。したがって、日本人の習慣として、北向きだけをさけられたらよろしいかと思われます。実際、お寺の墓地や霊園では、既に整地され、区画や向きも決まっていることが多いようですから、墓地の管理者と良く相談をして、希望する向きを選ばれたら良いのではないでしょうか?
  • 「寿陵」(じゅりょう)ってな~に?

  • 生前にお墓を立てることを『寿陵』といいます。戒名や建立者の文字が朱色のお墓を見かけられたら、それが『寿陵』です。今、寿陵が増えているのは、日本が世界一の長寿国になったことにも関係があると思われます。かつての日本人は生きることに精一杯で、自分の死後を考える余裕などなかったわけです。ですが現在は人々が来世を考える余裕も出始めたのではないしょうか。  最近は寿陵の占める割合が70%以上の霊園もあるくらい増えてきています。   
  • じゃあ、お盆は?

  • 「盂蘭盆会」(うらぼんえ)のことで、略してお盆といいます。盂蘭盆会とは、地獄や餓鬼道に落ちて、さかさづりにされて苦しんでいる霊を救うための供養をいい、次のような説話にもとづいたものとされています。釈尊の十大弟子の一人、目連尊者という人が神通力で亡き母の姿を見たところ、母は、餓鬼道に落ちて苦しんでいました。何とか救いたいと釈尊に教えを請うと、「過去七世の亡き先祖や父母達の為にご馳走をつくり、僧侶達に与え、その飲食をもって供養するように」と教えてくれました。目連は7月15日に教えの通りにすると、目連の母は餓鬼道からのがれ、無事成仏することができたそうです。お盆は、先祖や亡くなった人たちが、苦しむことなく成仏してくれるようにと、報恩の供養をする時なのです。
  • お線香と焼香について

  • 香は、よい香りで十万四方に行き渡りすべてを浄化(きよめ)するといわれています。 焼香は、仏に接するために、汚れを取り払って、心を正しくする為の行事です。各宗派によって、抹香をたく回数は、すべての心を一回の香に込めて霊前に捧げるという意味から一回とする場合、焼香従香(しょうこうじゅうこう)と二回とする場合、仏・法・僧の三宝(さんぽう)に捧げるという意味で三回にする場合などがありますが、代表的な例は、次のとおりです。
    天台宗・・・焼香は三回、線香は三本立てます。
    真言宗・・・焼香は三回、線香は三本立てます。
    浄土宗・・・焼香は三回、線香は一本を二つに折ります。
    臨済宗・・・焼香は一回、線香は一本立てます。
    浄土真宗本願寺派(西)・・・焼香は一回、線香は一本を二つに折って火をともし、香炉に横に寝かせて入れます。
    浄土真宗大谷派(東)・・・・・焼香は二回、線香を用いる時は、折って供えます。
    曹洞宗・・・焼香は通常二回ですが、「初香は、拈(ねん)じ従香は拈ぜず」とされ、一回目は押しいただき、ひねって香炉に入れ、二回目は、そのまま落とします。線香は一本立てます。
    日蓮宗・・・特に作法は使っていませんが、多くは焼香一回、線香は一本立てます。

    いつ頃建てればいいの?

  • お墓を建てる時期に一定の決まりはありません。しかし仏教では、死後四十九日で霊魂(れいこん)は天界へ旅立ち、三回忌に冥界(めいかい)における運命が決まるといわれており、この間、相続者は十分に故人の追善供養をしながらお墓も建てて供養を済ませておく事が、子孫のつとめであると一般的に言われています。先祖、故人に対する供養の気持ちからお墓を建てる時期については、極端に吉凶(きっきょう)にとらわれることはないと思われますが、春・秋の彼岸、夏のお盆、故人の祥月命日(しょうつきめいにち)を選んで建てる例が多いようです。また、生前にお墓を建てることを「寿陵」(じゅりょう)と呼び、生前にお墓を建てるということは、長寿につながるとして、おめでたいこととされています。大切なのは、建てる時期ではなく供養の気持ちです。
  • お彼岸にはどんな意味があるの?

  • 「彼岸会」(ひがんえ)ともいい、春・秋ともお彼岸の中日にあたる「春分の日」と「秋分の日」を中心に、前後3日間を彼岸といいます。  彼岸は、此岸(しがん)に対比される言葉で、河をはさんだ向こう岸(彼の岸)とこちら岸(此の岸)ということになります。仏教には、西方十万億土(さいほうじゅうまんおくど)に極楽浄土があるとされ、太陽が真西に没する春分の日、秋分の日には、その方角が正しく示されるというところから、極楽往生の願いを込め法要が行われるようになったとされています。仏教の中道(ちゅうどう)を尊ぶ考え方が季節の変わり目である時期と重なり日本人の生活に定着してきました。一般的には、お墓参りを行い、先祖の供養をすることが多いようです。
  • 香典の知識

  • 本来は、「香奠」(こうでん)と書いていましたが、「香典」で通用します。死者の霊にたむける香の代金という意味です。昔は香を持参してたいて供える仏に対する六種供養の一種でした。
    六種供養とは、華(花)・塗香(ずこう)《香を供える》・焼香《香をたく》・灯明(とうみょう)・水・飲食(おんじき)のことです。今日では、香をはじめとする一切を喪家側でととのえるための香の代金として、現金を包むようになったようです。
    死去の知らせを聞いて、とりあえずの弔問の時は、喪家の側もごたごたしている場合が多いので持参しないほうがよいかと思います。通夜か告別式に参列する時、持参して受付でさしだすか、焼香の際に霊前に供えます。通夜・告別式に参列できない時は、郵送するか、後日、弔問する時持参すれば用でしょう。
  • 表書き

  • 香典を持参する時の表書きは、仏式では「ご霊前」「御香典」「御香料」とします。もしも、宗教が分からない時には「ご霊前」に。どの場合でも差し支えないので無難です。また、表書きには、薄墨を用いるのが作法となっています。
    水引は白と黒を使い、不幸の訪れることがふたたびないように、結びきりにします。水引きより上に 表書きをして、下部中央に、自分の名前を記しますが、姓だけでなく、名まで書くようにします。連盟で包む時は、表に姓名を書くのは三名までとして、それ以上の人数の時は、「○○課一同」「○○会有志」などを記し、全員の名前を別紙に書いて中包みの中に入れておきます。連盟の時は、目上の人から順に右から左に書きます。 「死」につながる四千円、四万円などは避け、お金はきれいなものを包むようにするという説と、予め用意していたようになってしまうということから新しくないお金を包むという説もあります。

    葬儀

  • 御霊前 ごれいぜん 葬儀で霊前に供える金品に使う。
    神式・キリスト教式でも使える。
    御香典 ごこうでん 霊前に供える金銭の包みに使う。「御香奠」とも書く。
    御香料 ごこうりょう 香を供える代わりにお金を供える時に使う。
    御香華料 ごこうげりょう 香華を供える代わりにお金を供える時使う。
    御仏前 ごぶつぜん 葬儀や法要の際に備える金品をいう。
    御供
    おそなえ 霊前に供える、品物に使う。
    御悔  おくやみ 葬儀の前、お悔みに行くときに用いる。
    御布施 お ふ せ 通夜や葬儀のとき、僧侶へのお礼の金包みに使う。
    御経料 おきょうりょう 僧侶のお金の金包みに使う。
    読経御礼 どきょうおんれい 読経のために、僧侶を呼んだ場合に使う。
    御膳料 おぜんりょう 食事のもてなしの代わりに、僧侶へ渡すお礼金に使う。

    法要

  • 御仏前 ごぶつぜん 仏式の法要の際に仏前に供える金品に使う。
    御佛前 ごぶつぜん 故人が目上の人だった場合には、一般に旧字体の「佛」が使われる。
    御供 おそなえ 法要に品物を供える場合に使う。
    満中陰志 まんちゅういんし 仏式の三十五日・四十九日の法要のとき、お返しの品に使う。
    忌明志 きあけし 仏式(三十五日・四十九日)の法要、神式(五十日祭)に
    忌明けの品に使う。
    粗供養 そくよう 法要に出席していただいた人々へのお礼の品に使う。
    偲草 しのびぐさ 神式の五十日祭の法要のあと、忌明けのあいさつの品物に使う。
    茶の子 ちゃのこ 香典返しの品に使う。仏式、神式ともに共通して使用できる。